すくすくベリー研究所
発達心理学

スマホやテレビは見せない方がいい? 発達に差が出る「コンテンツ選び」と「親の関わり」

📄 Screen Exposure and Early Childhood Development in Resource-Limited Regions: Findings From a Population-Based Survey Study.

✍️ Xiao, Y., Emmers, D., Li, S., Zhang, H., Rule, A., Rozelle, S.

📅 論文公開: 2025年1月

スクリーンタイム 親子の関わり 認知発達 社会情緒的発達

3つのポイント

  1. 1

    1歳未満からの長時間のスクリーン利用は、運動発達の遅れにつながるリスクがあります。

  2. 2

    毎日15分以上「教育的な内容」を見ることは、社会情緒的な問題の減少につながることが示されました。

  3. 3

    画面を見るときに親が声をかけたり一緒に楽しんだりすると、言葉や認知の発達が促されます。

論文プロフィール

  • 著者: Xiao, Y. ほか
  • 発表年: 2025年
  • 掲載誌: JMIR
  • 調査対象: 農村部に住む生後6〜26ヶ月の子どもと、その主な保護者1,052世帯
  • 調査内容: スクリーンタイム(画面を見る時間)、視聴している内容、保護者の一緒の視聴(共同視聴)と声かけが、子どもの認知や社会情緒的な発達にどのような関係があるかを調査しました。

エディターズ・ノート

「スマホや動画は見せない方がいいの?」と悩む保護者の方は少なくありません。本論文は、単に「見る時間を減らす」だけでなく、「何を見るか」「親がどう関わるか」という質に目を向けることで、画面を通じた経験が子どもの発達にプラスに働く可能性を示唆しています。

実験デザイン

1,052世帯を対象に、過去1ヶ月の1日あたりの平均スクリーン時間、教育的コンテンツの視聴時間、保護者の声かけや関わりの有無をヒアリングしました。その後、子どもの発達評価スケール(Bayley式など)のスコアとの関係性を分析しています。

結果として、親の関わりの有無によって、認知や言葉の発達遅延リスクに違いがあることが示されました。

親の関わり(インタラクション)の有無と発達遅延リスクの関係(概念図) 0 15 30 45 60 75 発達遅延リスクのイメージ 75 声かけ・関わりなし 30 声かけ・関わりあり
親の関わり(インタラクション)の有無と発達遅延リスクの関係(概念図)
項目 発達遅延リスクのイメージ
声かけ・関わりなし 75
声かけ・関わりあり 30
親の関わり(インタラクション)の有無と発達遅延リスクの関係(概念図)

古典知見との接続

画面を通じて新しい言葉や概念に出会うとき、子ども一人では理解が難しいことがあります。ここで保護者が「わんわん、かわいいね」「赤いりんごだね」と声をかけることは、子どもの学びを支える 足場かけ(スキャッフールディング) として機能します。親のサポートが加わることで、一人では届かない発達のステップへと引き上げられるのです。

すくすくベリーとしての解釈

私たちは、デジタルデバイスそのものが悪なのではなく、「どのように使い、親がどう関わるか」が子どもの発達を左右すると考えています。

この研究が示す「教育的なコンテンツを選び、保護者が関わりながら一緒に楽しむことで、ネガティブな影響を防ぐだけでなく発達を促す可能性がある」という知見は、すくすくベリーの設計の根底にあります。私たちがAI解析を通じて「親子の対話のきっかけ」となるような通知やフィードバックをお届けしているのは、アプリを通じた遊びのログを「親子の温かいやり取り」へと拡張したいからです。

幼児期に限らず、学童期や思春期になっても「デジタルとどう付き合うか、親がどう対話するか」というテーマは続きます。私たちは0歳から18歳までを見据え、デジタルの健康的な活用と親子の対話をサポートするプラットフォームを探求し続けます。

ご家庭でのヒント 今日から、お子さんが動画を見たりアプリで遊んだりしているとき、隣に座って「何をしているの?」「おもしろいね!」と声をかける時間を5分だけ作ってみませんか? その小さな関わりが、お子さんの言葉や心の発達を豊かに育むスパイスになります。

読後感

あなたのお子さんは、画面を見ているとき、どんな表情で、どんなものに興味を示していますか?